【萬物相】韓国国会の「朴正熙隠し」

 国会事務処(政府部署の一つ)が3億5000万ウォンを投じてLED(発光ダイオード)電光掲示板を設置し、竣工記を覆うという。「出入り口が暗いため」というが、実際は「朴正煕」の名前を隠したいのだろう。民主党からは竣工記について「恥ずかしい歴史を象徴している」といった言葉が出ている。竣工記は竣工記にすぎないが、45年前に野党も理解していたことを今になって覆い隠そうとする発想が幼稚だ。

 現政権が発足して以降、大韓民国の歴史博物館は、朴正熙時代の経済成長関連の展示物を大幅に減らした。朴正煕生誕100周年記念切手の発行が取り消された。民主党所属の亀尾市長は、朴正煕の「誕辰」行事を「誕生」行事に変え(誕辰より誕生の方がややぞんざい)、「セマウル課」をなくした。亀尾工業団地50周年記念式広報映像からは朴正熙元大統領が消え、金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)、文在寅(ムン・ジェイン)現職前職大統領だけが登場する。ソウル市中区は数年にわたって建設してきた「朴正熙記念公園」の工事を中断した。左派団体は、顕忠祠(し)をはじめ全国の史跡地に掲げられた朴元大統領の掛け額の撤去も訴えている。朴正煕時代は功もあり、過もあり、それ自体が一つの歴史だ。隠してみたところでなくなるものでもない。

イ・ドンフン論説委員

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