半導体業界はファーウェイがTSMCに委託してきた生産分を中国のファウンドリーである中芯国際集成電路製造(SMIC)に回すとみている。SMICのファウンドリーとしての技術力は低いが、他に選択肢がないからだ。SMICはTSMC、サムスン電子が推進している5ナノメートル製造プロセスにはるかに及ばない14ナノメートル製造プロセスを採用している。産業研究院のキム・ヤンペン専門研究員は「14ナノメートル製造プロセスで5ナノメートル並みの性能を実現するには、チップがもっと大きくなければならず、電力消費量も増える。結局SMICでチップを生産すれば、ファーウェイ製品の性能は低下してしまう」と指摘した。世界市場で淘汰されることを意味する。
その場合でもファーウェイにメモリー半導体を輸出してきたサムスン電子、SKハイニックスの売り上げは打撃を受ける。ファーウェイは昨年、全世界でスマートフォンを2億4050万台販売した業界2位のメーカーだ。ファーウェイの空席を中国の小米(シャオミ)、VIVO、OPPOなどが埋めることになりそうだが、そうしたメーカーが成長するまでには時間を要する。業界関係者は「長期的にはファーウェイに代わるメーカーが浮上し、半導体販売量も原状を回復するとみられるが、短期的には売上減少を避けることはできない」と述べた。
■TSMCも受注拒否なら損害大
TSMCも今回の受注拒否による損害を懸念しなければならない状況だ。TSMCの売上高に占めるファーウェイの割合は10-15%だ。現代証券のノ・グンチャン・リサーチセンター長は「米国の半導体設備なしでは事業を営めないTSMCは、ファーウェイなど中国の顧客を失うことを受け入れるしかなかった」と分析した。