■「9・19軍事合意違反だが実効的に守られている」
合同参謀本部は3日に行われた事件直後のブリーフィングで「今回の挑発は偶発的」との点を何度も強調した。これと関連して軍はこの日「偶発的挑発を強調したことで別の疑惑が持ち上がったようだが、その点については申し訳なく思う」とコメントした。しかし今回の事件が偶発的だったとの立場には変わりがないという。合同参謀本部の関係者は「韓国軍は2回も対応射撃をしたが、北朝鮮側から反応がなく、北朝鮮軍は日常の営農活動を行った」「とりわけ当時の北朝鮮軍GP勤務者らはヘルメットを着用していなかった」とも説明した。韓国軍は「北朝鮮軍による3日の挑発に意図性はなかった」と説明するため、事件が北朝鮮軍の勤務交代時間に発生した点もその根拠とした。しかし実際の交代時間は午前7時で、挑発が行われた時間よりも早かったとの指摘もある。韓国軍は「その日は霧で(交代時間が)遅れたと推定しただけだ」と弁解した。
合同参謀本部は今回の挑発に使用された北朝鮮軍14.5ミリ高射銃の有効射程距離については「(対空火器として使用したときの)1.4キロが公式の距離」「水平での最大射程距離を考慮すれば、さらに遠くに行くことも考えられるが、有効射程距離についての(追加)評価はなかった。混乱をもたらしたことは申し訳なく思う」と説明した。韓国軍は当初、北朝鮮軍による挑発武器の有効射程距離が挑発を行ったGPとの距離である1.5キロよりも短いことから、偶発的に銃撃が起こったという趣旨の説明を行っていた。しかし合同参謀本部は2018年、国会に「14.5ミリ高射銃の有効射程距離は3キロ」と報告した事実がすでに明らかになっている。
韓国国防部(省に相当)は今回の北朝鮮銃撃事件について「9・19軍事合意違反」と明言した。しかしその一方で「9・19軍事合意以前と比較すると軍事的にはかなり安定しており、(北朝鮮は)9・19合意を実効的に守っていると考える」ともコメントした。