共に民主党など進歩陣営が今回の総選挙で全300議席中190議席を確保したことについて、選挙専門家は新型コロナウイルスなど選挙運動の過程で生じた突発要因だけでは説明が難しいと指摘する。08年総選挙で保守政党を圧倒的に支持した有権者の20%前後が李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵(パク・クンヘ)両政権を経て、進歩支持に転じたとの分析だ。
李明博政権発足直後の08年総選挙で、保守陣営はハンナラ党が153議席、自由先進党が18議席、親朴連帯が14議席など185議席を獲得した。これに対し、当時の統合民主党、民主労働党はそれぞれ81議席、5議席にとどまった。12年後に保守・進歩陣営の勢力分布は完全に逆転した。有権者の意識や政界地図に根本的な変化が生じたのではないかとの分析が聞かれる。ソウル大のパク・ウォンホ教授は「結果的に08年、12年の総選挙で保守陣営を支持した有権者の15-20%程度が16年総選挙で国民の党を選択した後、今回の総選挙では進歩陣営に移動した」と指摘した。
有権者のこうした再編(realignment)は、保守政党が世代と価値観など有権者の変化に適応できなかったために起きたとの指摘がある。統合党関係者は「08年総選挙当時、ハンナラ党は首都圏、中産階級、中道層を取り込む『三重戦術』を通じ、過半数の議席を占めたが、その後彼らをないがしろにした」と話した。特に年代別で19.7%を占める50代の支持を集めるための政治的、経済的な対策を示すことができなかった。
パク教授は「586世代が大半の50代は生活に関わる問題には保守的だが、政治的問題には敏感な態度を示す。統合党は彼らを取り込む策を示すことができなかった」と述べた。選挙専門家は今回の総選挙で、60代以上(有権者の27.3%)の相当数は統合党に、30・40代(34.9%)の相当数は民主党に結集したとみている。キム教授は「与党1.5対野党0.5の構図が長期化し、ニューノーマル(新たな標準)として根付く可能性が高い」と述べた。