最近、「タローフの国」イランが韓国を公然とののしるという、異例の事件が起きた。イラン外務省のムサビ報道官は1月21日、「韓国国防部(省に相当、以下同じ)は『ペルシャ湾』の歴史的な名称すら知らずに、どういう知識と正当性で軍隊を送るのか」と、「ストレートな」非難を行った。その前日、韓国国防部は派兵を発表する際、ホルムズ海峡内の海域を「アラビア・ペルシャ湾」と呼んだが、これが間違いだというのだ。イランは「ペルシャ湾」という名称を使うが、「アラビア湾」はイランと敵対関係にあるサウジなど一部の国がこだわっている名前だ。ある国が韓国の反対にもかかわらず、東海に派兵し、派兵地域を「日本海」と呼ぶのと同然の外交的欠礼を犯したことになる。
韓国政府は、イランの反発が強まるや、今になって「なだめ役」として高官級の特使の派遣を検討しているという。典型的な「死後薬方文」(後の祭り)だ。あらかじめイランに真心を見せ、きちんと了解を求めていれば、今回のような露骨な反発は避けられたのではないだろうか。韓国外交部の中東地域担当局長は、「ホルムズ派兵」問題関連でイランに出張したことが一度もないという。韓国外交部が「イラン外交」にどれほどアマチュアかをうかがわせる話だ。