このような内幕が最近になってメディアに報じられると、韓水原はおかしな釈明をし出した。「会計法人にわれわれの意見を説明しただけで、評価全体を変更しろとは求めていない」というのだ。経済性評価の縮小は会計法人が自ら判断したというわけだ。しかし、韓水原が会計法人に提示した「月城原発1号機サービス遂行指針」は、韓水原の釈明とは全く異なる。「契約の相手方(会計法人)は発注者(韓水原)の業務要請に従わねばならない」という規定が指針に盛り込まれている。それにもかかわらず、韓水原は「意見説明」だとシラを切るのだ。韓水原が月城原発1号機の稼働継続に向けて設備交換などに使った費用は7000億ウォン(約660億円)だ。この損失は電気料金の引き上げなどの形で結局は国民の負担となって跳ね返ってくることになる。監査院の監査にせよ検察の捜査にせよ、韓水原の経済性歪曲の顛末はいつか必ず究明されなければならない。責任の当事者に対して歪曲の責任を最後まで追及しなければ、国民に無謀な政策の後始末をさせるという振る舞いを阻止することはできない。
文在寅(ムン・ジェイン)大統領が脱原発を宣言してから3年近くが過ぎた。その間に大統領の言動は何度も論争の的になった。「原発は安全でないから脱原発を推進する」と言いながら、外国に行けば「韓国の原発は安全だ」と言い続けた。「原子力潜水艦を導入する」という言葉も国民の目には奇異に映ったはずだ。しかし、原発こそが最も安全なエネルギー源だという事実がさまざまな研究を通じて知られるようになって久しい。電気1 TWh(テラワット)を生産する際に大気汚染や各種事故で命を落とす人の数が、原発の場合は0.07人であるのに対し、天然ガス(LNG)火力発電は2.8人、石炭火力発電は24.6人という統計もある。原発は経済的にもっとも安価で温室効果ガスも排出しない。要するに環境性・経済性・安全性を最も充足するエネルギー源が原発なのに、われわれは脱原発の号令から抜け出せずにいる。文大統領が先日任命した新しい気候環境秘書官は、前任者に続き環境団体で長い間脱原発運動に携わってきた人物だ。無謀な脱原発への歩みが続けば続くほど、国民の被害は一層大きくなるばかりだ。
朴恩鎬(パク・ウンホ)論説委員