左派偏向に続きでたらめな統計まで掲載した韓国史教科書

■東学の「沙鉢通文」の説明もバラバラ

 未来Nの教科書が、東学農民運動に関連して「古阜農民蜂起勃発直前に作成された沙鉢通文(連判状)」と紹介した文献について、ヘネム・エデュ版は「原文ではなく、そのころのさまざまな事実を集めた記録物」と、異なる説明をした。同じ文献について、金星の教科書は「1893年11月にチョン・ボンジュンなどが作った沙鉢通文」と表現し、原本であるかのように紹介した。一方で志学社の教科書は「後代に筆写された可能性がある」と記した。同じ史料を巡って原本なのかそうでないのか、教科書の説明が違っているのだ。

 沙鉢通文とは、首謀者を隠すため、上から下に参加者の名前を書くのではなくお椀(沙鉢)を伏せて描いた円に沿って参加者の名前を書いていった文献のこと。

 カン・ギュヒョン明知大学教授は「通文の形式すら備えていない雑記レベルの文献を、あたかも沙鉢通文の原本であるかのように紹介するなど、教科書の誤りは相変わらず」と語った。このほか、江華島条約の開港場貿易や居留地についての概念や、朝清商民水陸章程についての解釈の誤りも提起されている。キム・ビョンホン国史教科書研究所長は「2020年度の大学修学能力試験(センター試験に相当)韓国史の問題で、朝清商民水陸章程を背景にした仮想の対話があったが、これも誤った事実を基に構成したもの」と指摘した。

■38人が検定したのに間違いだらけ

 学界では、今回発見された統計や記述の誤りなどは教科書の検定審議プロセスで十分に確認できたものとみている。例えばコメ生産量の統計表の場合、教科書の比較をきちんとするだけでも間違いを見つけることができるのだ。韓国教育課程評価院によると、今回の高校韓国史教科書の検定を担当した検定審議委員は38人に上る。これらの委員が1カ月にわたって検定審議を行ったのに、教科書間の比較が可能な同一統計の誤りを確認できず、沙鉢通文など教科書ごとに異なる記述で混乱をもたらしかねない内容についても何ら措置を取らなかったのだ。

郭守根(クァク・スグン)記者
前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
関連フォト
1 / 1

left

  • 左派偏向に続きでたらめな統計まで掲載した韓国史教科書

right

あわせて読みたい