憲法裁判所は「審判対象の合意は外交的協議の過程における政治的合意であり、歴史問題解決などのための外交政策的判断なので、これに対するさまざまな評価は政治の領域だ」とした。
憲法裁判所はまた、サハリン強制徴用被害者らが出した「不作為違憲確認」憲法訴願については「政府がそれなりの義務を履行し、不作為と見なすことはできない」として却下した。訴願を出したハン氏らサハリン同胞たちはかつて日本の所属会社の炭鉱などで強制労働をしていた際に受け取った給与を日本の郵便貯金などに貯金するよう強制され、いまだに引き出せずにいる。日本は1965年の韓日請求権協定後に帰国して韓国国籍を取得したサハリン同胞の財産権は同協定によって消滅すると主張しているが、韓国政府は消滅しないという見解を持っている。これらの人々は2012年に「請求権協定に対する見解の違いを解決するための外交努力などをしなかった」として憲法訴願を出した。憲法裁判所はこれに対して、「(韓国)政府は2013年に日本に対し請求権問題の解釈衝突に関する韓日外交当局間協議を提案するなどして努力した」と述べた。
昨年の大法院強制徴用賠償判決で韓日関係に大きな波紋が広がったことから、この2つの憲法訴願がどのような結論に至るかも注目を浴びた。しかし、憲法裁判所は2件とも憲法訴願の対象ではないと結論付けた。慰安婦合意は3年、サハリン事件はなんと7年を経て下された結論だ。法曹界からは「憲法裁判所は政治的に敏感な件について過度に時間を引っ張り、顔色をうかがった」と批判の声も上がっている。