全校でビリのソン・ヨンジュン君、修学能力試験で奇跡の満点 /金海

 気持ちが揺らぐソン君を担任教師が支えた。「勉強はこれから頑張ればいい。奨学金にういて調べてみるから」とソン君を励ました。担任教師の推薦で、サムスン奨学財団や趙顕定(チョ・ヒョンジョン)財団などから高校3年間の奨学金として1000万ウォン(約910万円)を受け取り、生活費の足しにした。「奨学金で給食費などを含めた学費を支払い、お小遣いにもしました。母は僕に『うちはお金がないね』と思わせないようにしようと頑張ってくれました」

 気を引き締めてひたすら勉強したソン君は2学期の中間考査で全校4位になるなど、成績がグンと伸びた。それでも私教育とは縁遠かった。小学校4-6年生の時、近所の小さな学習教室で英語と算数を習った以外、塾や家庭教師などの私教育を受けたことが一度もないという。よく耳にする「インターネット講義」も高校3年生になってから初めて聞いた。「塾や家庭教師は高くて考えたこともありません。受講料がいくらなのかも知りません。塾に行っていないから1人で勉強することに慣れました。塾に通う友達よりもっといい点を取るつもりで勉強しました」

 金海外国語高校のカン・ムソク校長は「ソン君は修能1カ月前に『修能で満点を取ります』と言っていたし、修能1週間前にも『校長先生、僕が修能で満点を取ったら(校舎に掲げる)垂れ幕を出してください』と言っていた。修能当日の朝も『満点を取りますよ』と言って、本当に満点を取った。勉強だけでなく、人間性・交友関係・品性も申し分なく、先生方もみんな大切にし、かわいがっている生徒だ。教師として胸がいっぱいだ」と語った。

 カン校長はまた、「修能で満点を取ったというと、普通は頭がいいからだろうと考えるが、ソン君は勉強をとても一生懸命したので3年生の時に肩が痛くなって病院に通うほどの努力派だった。『天は自らを助くる者を助く』という言葉は本当だな、本当にその通りだという気がした」と語った。

 ソン君は「世の中を正す検事になりたい」という一方で、「医者になってお金をたくさん稼いで、苦労している母に親孝行したいという気持ちもあります」とも話す。だが、「ひとつ確かなのは、『僕は生涯、一生懸命生きる』ということでしょう」と語った。

チュ・ヒヨン記者
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