WTOで発展途上国の地位を放棄した韓国、本当に先進国か?

 先進国クラブと言われる経済協力開発機構(OECD)への加入はすでに23年前の1996年にパスした。29番目にOECDに加入したことで、社会的には「韓国も今では先進国」との世論が巻き起こったが、たちどころに静まり返ってしまった。OECD加入の翌年に通貨危機が発生し、IMF(国際通貨基金)の救済金融の支援を受けたことで、経済が低迷してしまったからだ。皮肉にも救済金融を受ける数カ月前、IMFは米国、日本、ドイツなどいわゆる従来のG7(主要国首脳会議)に加え、韓国も先進経済国に盛り込むと発表していた。

 20世紀から引き続き適用されてきた先進国基準は「1人当たりの国民所得(GNI)が3万ドル(約325万円)以上」だ。韓国は昨年この基準をパスした。世界銀行が分類する高所得国家(1人当たりのGNIが1万2000ドル=約130万円=以上)の仲間入りはとうの昔に果たしている。これに加えて米国は独自の基準としてG20(G7に参加する7カ国、EU〈欧州連合〉、ロシア、および新興国11カ国の計20カ国・地域からなるグループ)の参加国や輸出・輸入量が全世界の貿易額の0.5%を占める場合も発展途上国ではない、と主張している。この全ての条件に韓国は当てはまる。

 最近では、単に所得だけではなく、さまざまな生活の質を測定する指標を総合的に活用し、先進国かどうかを見極める方法が主流となっている。代表的指標が国連で毎年発表されている人間開発指数だ。この指数は、所得に教育水準、期待寿命のような要素を総合的に考慮して作成したもので、「非常に高い(very high)」になると先進国入りしたと見る。韓国はこの「非常に高い」に属する国家の一つで、2017年基準では22位を占め、順位では日本の一つ下だった。また、2016年にはOECD国家の中でも最高先進国の集まりとされているパリ・クラブにも加入した。国際的な債権国、つまり他の国に資金をたくさん貸し付けている金持ち国の協議体だ。

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