中国企業がOLEDで攻勢、焦るサムスン・LG

■OLEDでもチキンゲームは起きるか

 収益性の低下に直面した中国のディスプレーメーカーは液晶パネルの減産に入った。同時に次世代ディスプレーであるOLEDに対する投資を増やし始めた。BOEは今年7月から液晶パネルを5-10%減産する一方、9月に重慶市で465億元を投じる第6世代OLED工場を着工した。

 中国の維信諾科技(ビジョノックス)も今年9月、広州市で第6世代アクティブマトリックス式有機EL(AMOLED)モジュールの生産ラインの建設に着手した。8月には天馬微電子が8兆ウォン規模の第6世代フレキシブルOLED工場への新規設備投資を発表。恵科(HKC)は湖南省長沙市で第8.6世代の大型OLED生産ラインの建設に入った。

 中国メーカーの最初のターゲットは韓国が現在圧倒しているスマートフォン用中小型OLED市場だ。BOEは華為(ファーウェイ)のスマートフォン向けの中小型OLEDパネルを納入し、影響力を拡大している。アップルもiPhone用のOLEDパネルの調達先にサムスンディスプレー、LGディスプレーのほか、BOEを加えることを検討している。中国政府も液晶パネル事業に支給していた補助金の一部を削り、OLED事業を支援しているとされる。

 韓国のディスプレー業界にとっては警報ランプがともった。中国に液晶パネルで主導権を奪われて以降、OLEDで格差を広げようとしたが、中国が予想を上回る速さで追撃してきたからだ。韓国輸出入銀行海外経済研究所は最近のリポートで、「中国は液晶パネルで韓国の追撃に成功した攻撃的な投資戦略をOLEDにも採用し、3年後には韓国と競合できる水準に達する」と予想した。業界関係者は「中国が9インチ未満の中小型OLEDで2年、大型OLEDで5年以内に韓国に追い付き、市場がレッドオーシャン(激しい競争)になるとみられる。中国が追い付けない次世代ディスプレーの開発は難しい状況だ」と話した。

金城敏(キム・ソンミン)記者
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