■韓国政府による北送は国際法上の違法行為
「韓半島の平和と統一を準備する弁護士の集まり(韓弁)」など韓国国内の二つの人権団体は11日、国連に緊急の請願書を提出した。韓弁の代表を務めるキム・テフン弁護士は11日に本紙との電話インタビューに応じ「二つの団体は共同で国連の北朝鮮人権、拷問、処刑担当など3人の特別報告官に緊急の請願書を提出した」「翌日にはトマス・オヘア・キンタナ国連北朝鮮人権状況特別報告者から『いかなる行動を取るべきか検討し準備している』との回答を得た」と明らかにした。
米政府系のラジオ自由アジア(RFA)によると、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)はキンタナ氏が接触対象とした「該当する政府」が韓国か北朝鮮かについて「国連の規定によって60日間は明らかにできない」と伝えたという。ただし外交関係者の間では「『該当する政府』は韓国と北朝鮮双方を意味する」との見方が支配的だ。キム・テフン弁護士は「国連は大韓民国政府には今回の措置について懸念を伝えると同時に真相解明を要求し、北朝鮮政府には北送された漁民の処刑中止や拷問など非人道的な扱いを行わないよう要求するのではないか」とコメントした。
ヒューマン・ライツ・ウォッチは「韓国政府の追放措置により、北朝鮮漁民二人は虐待される可能性が高い」と指摘した。ヒューマン・ライツ・ウォッチは「北朝鮮の司法体系は極度に残忍であるため拷問を受ける可能性が高い。そのため彼らを北朝鮮に送り返したのは国際法上の違法行為だ」として韓国政府の対応を批判した。