「和解失敗」で結論づけようとした瞬間、ある調停委員が男性に「白さん」と話しかけた。その瞬間、女性の白さんが「どこの白氏なのか」と男性に本貫を尋ねた。男性が「水原白氏だ」と答えると、女性は「自分も水原白氏だ」と言い、何代目の世代に属するかなどを尋ねた。そして、「家中の息子世代だ。一族にこんな男はいるはずはないのに、なぜこんなことをしたのか」とたしなめた。訓戒調ではあったが、怒りが和らいだ口調だった。その後、女性が「握手しよう」と先に和解を持ちかけ、男性も「申し訳なかった」と謝罪した。女性が「白氏には本貫が異なる人もいるが、本当はみんな同じ一族だ」と言うと、男性は「その通りです」と答えた。
和解した2人は「処罰を望まない」という合意書を作成し、委員会に提出した。単純暴行では被害者が加害者の処罰を望まないという意思表示をすれば処罰することができない「反意思不罰罪」に当たり、検察は「公訴権なし」として事件を処理した。合意書を提出した後、女性は男性を抱き寄せて「次からはこんなことをするな。頑張れ」と励まし、その場を後にしたという。調停委員は「最初は激しく争っていて、和解は難しいと思っていたが、同じ「白氏」ということで全てが解決した」と話した。