日本は後方へ下がり米国が前面に、ブーメランで帰って来たGSOMIA破棄 

 ワシントンのある外交筋は26日(米国時間)「GSOMIA破棄の期限が近づいたため、米国は韓国大統領府にこれまでの方針を撤回させる大義名分を最大限提供する方策を検討している」と伝えた。来月5日に予定されているスティルウェル氏の来韓に加え、来月中旬にはミリー合同参謀本部議長による韓国と日本の同時訪問も予定されている。これらはいずれも韓国大統領府がGSOMIA破棄決定を見直す大義名分を与えるための事前の政治的な作業ということだ。

 しかし韓国政府は今なお「日本が先に輸出規制を解除しない限り、GSOMIAは延長しない」との立場を変えていない。ある韓国政府高官は25日「先に原因となったのは日本の報復措置だ。そのためGSOMIA中断決定を一方的になかったことにした場合、それは国民が納得しないだろう」と主張した。

 このような政府の原則論にはGSOMIAと関連する輸出規制、さらに根本的には徴用問題を期限内に解決するのは難しいという現実認識が横たわっている。当初、韓国政府がGSOMIA破棄をカードとしたのは、日本の輸出規制への対抗という意味合いからだった。昨年秋に韓国大法院(最高裁に相当)が徴用賠償判決を下してから日本が輸出規制強化を発表するなど、韓日関係は悪化の一途をたどっている。そのため韓国大統領府はGSOMIA破棄をこれに活用することを決め、それを通じて米国に仲裁の役割を求めたというのだ。韓国大統領府国家安保室の趙太庸(チョ・テヨン)第1次長は「GSOMIAの終了を決めこれを発表したのは、米国から(仲裁を)引き出すためだったと考える」とする一方「結果が出ていないのは望ましくないと言えるだろう」と述べた。

ワシントン=趙儀俊(チョ・ウィジュン)特派員
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