■観光中断期間が延びて施設も老朽化…「再開が可能なら改・補修の計画」
金剛山観光は、累積200万人の観光客数記録を目前にした2008年7月、韓国人観光客のパク・ワンジャさんが北朝鮮軍の銃弾を受けて死亡し、全面的に中断となった。中断期間が長くなるにつれ、投資した観光施設も老朽化。現代峨山は、観光中断後もしばらく金剛山にとどまり、施設の管理を行っていたが、観光中断が予想より長期化したため2011年8月に完全に撤収した。金剛山で離散家族再会行事が実施されるときだけ、現代峨山は行事進行のために施設の状態を確認した。
実際に昨年11月18日から19日にかけ、北朝鮮の金剛山観光特区で行われた「金剛山観光20周年記念行事」で確認された各施設は、ほとんどが老朽化しており、まともに作動しない設備もあった。当時、金剛山ホテル内のエレベーターは現代が製造したもので、テレビとエアコンはLG、トイレの便器は大林といった形で韓国企業が生産した製品だったが、2004年ごろに設置した設備を14年間使っており、かなり古びて見えたというのが当時訪朝した人たちの言葉だ。ホテル内のテレビは、最近韓国ではめったに見られないブラウン管テレビで、1998年に発売されたモデルだった。
現代峨山は金剛山観光再開への期待感が高まると、今年3月に金剛山観光再開に向けた施設の改・補修のために414億ウォン(約38億円)規模の有償増資を行うと発表した。金剛山と開城にある施設の改・補修などに340億ウォン(約31億円)を投じるのだ。
現代グループ側は「昨年4月の板門店宣言以降、金剛山再開への期待感が高まった」として「一喜一憂せずに、状況が改善したらいつでも金剛山観光を再開できるよう落ち着いて対応していきたい」と話した。アナンティ側は「今後、金剛山の施設物に関する協議があるのなら、金剛山の自然景観との調和を成す世界的な最高級複合リゾートを建設する方向で話し合いたい」と述べた。