生徒たちが本紙に提供した当時の現場の動画によると、大会の開始とともに教師らが一部の生徒を舞台の上に呼び出した。ポスターを持った生徒たちはマイクを持って「倍(安倍首相の倍と掛けている)にして返そう、倍にして返そう」「歴史を忘れた民族に未来はない」「安倍の自民党は亡びる」「アイ・ラブ・コリア」のようなスローガンを口々に叫んだ。青の体操服姿のある教師が、スローガンを叫ぶ際に最後の部分を大きな声で2回ずつ繰り返すよう促し、「日本経済侵略に反対する、反対する」「臨時政府100周年記念おめでとう、おめでとう」といったスローガンを連呼させた。こうした姿を仁憲高校のナ校長は朝礼台右端に立って見守っていた。動画では、こうした内容を2人の教師が先頭に立って指導していた。生徒たちは「校長先生も笑いながらこうした様子を見守っていた」という。
仁憲高校の学生守護連合は同日の行事について「生徒たちの意志が死んでしまった政治的死骸が叫んだ言葉だった」とつづっている。校庭の裏手に立っていた一部の生徒の間では「思想の押し付けはいい加減にしろ」「いくら何でもこれはやり過ぎだ」といった話が出ていたという。生徒たちは、教師から受け取ったピンで反日ポスターを胸に固定し、コースを完走した。ある在校生は「何も分からない純粋な生徒たちを相手に考えられない教育を行った」と怒りをあらわにした。