移植された肝臓の再寄贈、韓国国内では6例目
今年7月から心臓疾患で闘病し、脳死状態に陥ったイ・ゴンチャンさん(62)は、今月1日についに家族の元を去った。イさんは6年前に誰かから受け取った大きなプレゼントを、ほかの誰かへ再び与えて旅立った。2013年9月に寄贈を受けて移植された肝臓を、韓国臓器組織寄贈院に再度寄贈したのだ。韓国国内におけるこうした事例は、イさんで6例目になる。
妻チュ・ジョンヒさん(54)と2人の息子がイさんの肝臓を再寄贈することにしたのは、6年前の切なる思いと、6年間の感謝が理由だった。チュさんは「移植を受けられなければ死ぬというということで、切々と祈る瞬間に直面したことから、ほかの誰かも切に待っているだろうと理解できた」と語った。イさんは、肝移植を受けて健康を取り戻した2014年に疾病管理本部で臓器の寄贈希望登録を行っていた。ほかの人の肝臓をもらってイさんが6年の新たな人生を過ごす間に家族が感じた感謝も、ためらうことなく寄贈を決めさせた。
イさんにとってこの6年は「贈られた時間」だった-とチュさんは語った。チュさんは「夫が臓器の寄贈を受けて健康を回復し、6年間生きていく間、2015年と17年に上の息子と下の息子の韓国軍入隊を目の当たりにし、論山と春川(いずれも新兵が入隊する陸軍訓練所の所在地)へ行って『こういう日が来るだろうとは思わなかった』と喜んでいた姿が思い浮かぶ」と振り返った。
イさんは、若いころ従事していた保険業へ再び就職して社会生活を営みつつ、合間を縫って趣味のレコード集めを行った。チュさんは「6年前に夫へ寄贈してくださった方にいま一度感謝申し上げ、夫が再び寄贈した肝臓を移植される方も健康で元気になったらうれしい」と語った。