「平和経済はSF小説、所得主導成長は寝言」

 ソウル市立大の尹暢賢(ユン・チャンヒョン)教授は「最低賃金が過去2年間に30%近く引き上げられたことから経済が故障し始めた。零細事業者が不景気で仕事にならないのに、従業員の給料を上げられるはずがない」と述べた。その上で、「規制というのは単独で見ると必要に思えるが、全体を眺めると起業しにくい構図が描かれる。企業全体を見渡さずに安全・環境・労働・租税政策が導入され、財閥までたたくというのだから、企業は苦しさを訴えるのだ」と続けた。

 李仁浩(イ・インホ)ソウル大教授は「分配が改善されれば、消費増大、投資増加、総需要増加につながる。所得主導成長の基本構造はそこから生まれたものだ」と述べながらも、「現政権は最低賃金を急激に引き上げ、自営業の基盤が崩壊し、分配も悪化した。結局現政権は分配をぶち壊し、景気がさらに悪化した」と分析した。

 韓国開発研究院(KDI)国際政策大学院の柳鍾一院長は「分配が改善すれば成長にプラスの影響を与えるというのが経済学界の定説だ。所得主導成長の政策手段が誤っているというのはその通りだが、社会水準が発達するためには、人権の向上も必要だ。そうした部分に対する構成員間の立場の違いを狭めていくべきだ」と訴えた。

 韓国経営者総協会(経総)の孫京植(ソン・ギョンシク)会長は「公正・分配といった社会的価値も重要だが、それは堅固な自由市場経済体制の基盤の上で経済的効率性を高めながら、社会統合的に推進されるべきだ」とあいさつした。

金康漢(キム・ガンハン)記者
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