85日目の「不和(フッ化)」水素

 日本製液体フッ化水素の供給が長期間断たれ、サムスン電子とSKハイニックスが備蓄したフッ化水素の在庫量も急速に減少している。業界は在庫量を極秘事項にしているが、フッ化水素の保管可能期間が3カ月であることを考えると、業界が保有する在庫量は1カ月分にも満たないと推定される。

 サムスン電子とSKハイニックスは在庫のフッ化水素を最大限節約して使う一方、国産フッ化水素の最終テストを進めている。サムスン電子はサムスン電子綜合技術院が研究した「エッチングガス節約法」を実際に生産ラインに適用しているという。例えば、ウエハー数枚を積み上げて、大きな筒に入れ、洗浄時にもこれまではフッ化水素をウエハーの高さよりも1センチメートル上まで充填していたものを0.5センチメートルまで減らすといった方式だ。しかし、節約は在庫払底を遅らせるその場しのぎの方法にすぎない。根本的な対策として、日本製に代わる供給元を確保することが急がれる。

 サムスン電子は韓国企業ソウルブレインが製造したフッ化水素を一部の製造工程に投入し始めたという。サムスン電子関係者は「テストが完了するまでには時間が必要だ。日本製を完全に切り替えるのではなく、同じ工程で使用できる複数の供給元を確保するという意味でテストしている」と説明した。

 SKハイニックスも国産フッ化水素2種程度を製造工程に投入してテストしている。今月末か来月初めにもテストを完了し、一部だが国産品への切り替えが可能となる見通しだ。日本のフッ化水素メーカーの海外法人や韓国企業との合弁会社が生産したフッ化水素の供給を受ける案も推進している。高純度フッ化水素の在庫がなくなれば、当面は半導体ウエハーの不良品率が高まることを覚悟で代わりのフッ化水素を投入し、生産を継続する方針だ。

金城敏(キム・ソンミン)記者
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