「トランプ大統領なら韓日に核武装を認めるかも」

 アインホン氏は先日も「米国では中国に圧力を加えるという戦略的な次元から、韓日の核武装論が何度も話題になっている」とも伝えた。アインホン氏は「米国は『韓国と日本が核武装をすれば中国がこれを嫌うので、中国はこれを阻止するため北朝鮮に(非核化の)圧力を加える』と考えている」「危険な考え方だが、実際にそのような意見が出ているのは事実」などとも伝えた。その一方でアインホン氏は「最初から核武装をする考えなどなかった韓国と日本が『米朝交渉が失敗すれば、米国は我々が核武装してもよいと考えている』と認識し真剣に核武装を進めるかもしれない」との見方も示した。米国の核抑止力への信頼が続く限り、韓国と日本は核武装を選択しないが、その信頼が弱まれば雰囲気が変わる可能性も排除していないようだ。

 米議会調査局(CRS)は今月6日「非戦略的核兵器」と題された報告書で「米国の戦術核などによる核抑止力を信頼できない同盟国は、自ら核兵器を保有するしかないと考える可能性がある」と指摘し、アジア各国が核武装を目指す可能性を指摘した。また今年7月には米国防省国防大学が「核態勢の検討」と題された報告書の中で「米国の管理下で非戦略的核能力を共有するという概念について、これをアジアの同盟国と共に検討する必要がある」と指摘した。「米国は韓国や日本と非戦略(戦術)核兵器を共有する協定を締結すべき」という提案が出たということだ。この提案が現実となれば、在韓米軍が1991年に全面撤収した戦術核が有事に再び配備される可能性も出てくる。米議会上院軍事委員会のジェームズ・インホフ委員長(共和党)も7月、米政府系放送「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」とのインタビューで「(韓米日による核共有協定締結について)検討する価値がある」とする異例の発言を行った。

 しかしトランプ政権は今なお韓国と日本の核武装について表向きは反対の立場を明確にしている。米国防省のピーター・ファンタ核問題担当副次官補は5月「米国の核抑止力拡張だけが効果的な代案だ」と明言した。米国による核の傘以外の代案はないとの趣旨だ。

ワシントン=趙儀俊(チョ・ウィジュン)特派員
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