日本の「無理な主張」に対して産業部が行った釈明だけを見ても、李首相の認識が誤っていると分かる。産業部は、問題の資料について「産業部の傘下にある戦略物資管理院の年次報告書を通して、現況を毎年透明に公開し、国会に提出している」とコメントした。「確実なファクト」にして「透明な公開」というわけだ。
産業部は、日本が摘発件数を公開していない点と対比しつつ「韓国の輸出コントロール制度が効果的かつ透明に運営されていることの反証」ともコメントした。ならば、当該報道もまた韓国の透明性を立証する根拠になるといえる。米国も、無許可輸出の摘発実績および主な事例を公開している。
李首相は、現政権において一部の報道が政府の政策を歪曲(わいきょく)していると、不愉快さを露わにしてきた。李首相は昨年、「一部の不正確な報道で国民に誤解と混乱をもたらした」「新聞は信頼の危機まで迎えることになった」「メディアが薄情なことをしているという思いがある」と発言した。今回の対政府質問を見ると、こうした発言の真意すら疑わざるを得ない。自分たちにとって不都合なニュースならば「誤報」と断定する李首相の偏ったメディア観が疑わしいのだ。
日本が、自分たちの経済報復措置を正当化するために韓国国内の各種資料を利用する我田引水、針小棒大を乱発することは予見されていた。李首相は、真に嘆かわしきはどこなのか、我が身を振り返ってみればよいと思う。
キム・ドンハ記者(政治部)