現政権になって、陸軍士官学校が、6・25戦争当時のペク・ソンヨプ将軍の活躍を描いたウェブ漫画をホームページから削除するという事件があった。そうして最近、野党代表がペク・ソンヨプ将軍を訪ねたことをきっかけに、将軍をおとしめる動きが本格化した。ヨルリン・ウリ党(盧武鉉〈ノ・ムヒョン〉政権時代の与党。前出の民主統合党を経て現在は『共に民主党』)時代に「北朝鮮のミサイルは米軍基地攻撃用にすぎない」と弁護していた光復会長は、連日「ペク・ソンヨプは徹底した土着倭寇」だと騒ぎ立て、与党議員は「(上海で日本の要人を暗殺した)尹奉吉(ユン・ボンギル)が痛憤するであろうこと」と口を挟んだ。金日成勲章を授与された金元鳳(キム・ウォンボン)を「国軍のルーツ」であるかのごとく持ち上げる大統領の演説をまた聞いているような気分だ。
今から数年前、在郷軍人会の会長は「日本統治時代に生まれて教育を受け、日本の体制で勤務したことを理由にするのであれば、将軍に向かって石を投げる資格のある人間は何人いるだろうか」と語った。6・25で韓国に銃口を向けた人間を称賛し、「私が退いたら私を撃て」と言って先鋒(せんぽう)に立った護国の英雄は非難する。逆さまになった意識が嘆かわしい。
イム・ミンヒョク論説委員