北朝鮮の公開処刑場、323カ所を確認

北朝鮮の公開処刑場、323カ所を確認

 「2000年代の末、違法な取引の疑いで処刑した3人の遺体を『火炎放射器』で焼却したという情報があった。自動小銃で撃った後、遺体に油をかけ、火炎放射器で火を付けたという証言だ」

 国際人権団体「転換期正義ワーキンググループ」(TJWG)は11日、こうした内容を含む『殺害された人々のためのマッピング:北朝鮮政権の処刑と遺体遺棄』というタイトルの報告書を公開した。同報告書は、この4年間に韓国入りした脱北者610人をインタビューした内容や衛星写真などを通して、北朝鮮内部の▲処刑場所▲遺体を処理した場所▲関連の文書や証拠があるはずの場所-を地図にした。

 同報告書は、脱北者へのインタビューと人工衛星などを通して座標を確認した323カ所を、北朝鮮内部の処刑場所に挙げた。さらに、このうち267カ所(83%)は中朝国境地域の咸鏡北道(200カ所)と両江道(67カ所)にある、という調査結果が出た。

 公開処刑は、主に川岸、空き地、畑、市場、丘、山裾、競技場、学校のグラウンドなど開けた空間で行われ、多いときは1000人以上が見ている中で行われたことが分かった。処刑の罪名は殺人など凶悪犯罪もあるが、銅泥棒、人身売買、牛泥棒など経済的犯罪も多かったという。ただし、北朝鮮当局の処刑理由が実際の容疑なのかどうか確認するのは難しい、とTJWG側はコメントした。

 公開処刑の中でも294件は「銃殺部隊」を利用した処刑、25件は「絞首刑」、1件は有毒化学物質で処刑を行ったと伝えられている。処刑された人物の家族は大抵、処刑の現場に出席していたが、遺体は返してもらえなかったという。安全部(警察)が、公開処刑から3-4時間は誰でも見られるように遺体をさらしものにした、という証言もあった。

 別途アンケートに応じた脱北者84人のうち83%は、北朝鮮で暮らしていた当時、公開処刑を見たことがあると答えた。53%は、北朝鮮当局に強制されて1回以上公開処刑を見たと言い、7歳の子どももいた。処刑の見物席の一番前には人民学校(小学校)の児童、中央部には中高生、一番後ろには一般住民が立つようになっていたという。報告書は「公開処刑は、住民たちに恐怖心を与えて抑え込む手段」と伝えた。

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