「1909年に伊藤博文が大邱の達城公園でカイヅカイブキを記念植樹した」という主張がある。だが韓国学中央研究院は昨年発行した『精神文化研究』に、「カイヅカイブキに関する俗説は、ほとんどが虚構」だとする論文を掲載した。日本でカイヅカイブキ(貝塚伊吹)という樹名が初めて登場するのは1928年のことで、「1909年の時点ではそんな木はありもしなかった」という。1930年に発行された日本の文献には、伊藤博文が植えたイブキが跡形もなく消えた、という記録もある。
イブキの原産地は韓国、日本、中国など複数ある。ソウルの昌徳宮や先農壇などには、樹齢500年を超えるイブキが生えている。逆に、スギの木は日本が原産地の日本固有種だ。植民地時代に朝鮮へ持ち込まれ、済州島の村の周りや田畑、果樹園などの防風林として植えられ、済州の代表的な樹木になった。イブキを切り倒そうという論理からすると、その前にスギからまず切り倒さなければならない。済州は荒廃するだろう。こんな寒々しいコメディーをいつまで見なければならないのか。