今や米日同盟は、安倍首相が提案し、トランプ大統領がブランド化した「インド太平洋戦略」の主軸と位置付けられている。米日同盟は、インド太平洋戦略を押し立てて活動範囲を西方へと拡大し続けている。5月に入ってからは、中国が領海化しようとしている南シナ海で初めて、インド・フィリピンと共に4カ国合同演習を行った。
米日同盟が新たな段階へと進化しているのは、米国と日本の構想が絶妙にマッチしているからだ。トランプ大統領は、日本とより堅固な関係を作り、中国の軍事的台頭に対抗することを望んでいる。安倍首相は、中国や北朝鮮の脅威を契機として、世界第3位の経済力にふさわしい軍事大国の実現を希望している。米日同盟の発展には、2012年の第2次安倍政権発足後、米日同盟を念頭に置いて首相が粘り強く推進してきた集団的自衛権の法制化が大きな役割を果たしている。安倍内閣は2016年から、同盟国たる米国が第三国の攻撃を受けた場合にこれを日本に対する攻撃と見なして共同対応する集団的自衛権を確立・施行している。ここには、米軍に対する攻撃など「存立危機事態」において、自衛隊が反撃を行う内容も含まれている。
米日同盟が堅固になることを、韓米同盟の危険信号と認識すべきだという指摘もある。船橋洋一・元朝日新聞主筆は最近、ある月刊誌に「韓国は『日本不要論』で軽視しているが、米国からは『韓国不要論』が聞かれる」と記した。韓国が韓日関係を軽視する間に、米国では「韓国は必要ない」という主張が起こり、その代案として米日同盟が強化されているという趣旨で書いたものだ。「米日同盟強化の裏には韓米関係の弱体化がある」という認識が日本の専門家の間に広まっている。