現在韓国政権が食糧支援の根拠としているのは、事実上、世界食糧計画(WFP)が発表した「136万トン不足」の推定が唯一だ。しかし、WFPが北朝鮮の事情についてどこまで真実を確認したのか疑わしい。北朝鮮が示したものだけを見てきた可能性がある。そんなWFPが推算した今年の北朝鮮の穀物生産量は490万トン。「苦難の行軍」時代の北朝鮮の生産量は350万トンだった。ニューヨーク・タイムズ紙は「北朝鮮で大量飢餓の問題が発生したという報道は全くない」と伝えた。
韓国政府は、こうしたニュースにまるで耳を貸さない。北朝鮮支援で南北イベントをあらためて開いてみようという考えあるのみだ。韓国大統領府(青瓦台)安保室長は17日、「北朝鮮への食糧支援の原則をすでに確定した」と明かした。国家安全保障会議(NSC)の常任委員会まで開き、「国際機構を通した支援もしくは直接支援など、具体的な計画を検討する」とした。食料支援とは別に人道的支援にも800万ドル(約8億8000万円)を拠出するという。北朝鮮が相次いでミサイルを発射しているのに食料を与えたら、それは北朝鮮にとってどのようなシグナルとなるか。全てのことには「タイミング」がある。今の時点では、北朝鮮の食糧事情を正確に把握し、北朝鮮制裁の状況に食糧支援が及ぼす影響を細かく調べてみるべきだ。