問題は、今が両国関係の底、つまり最悪の状態ではないかもしれないということだ。ある外交筋は「日本はメディアで報道されている『報復措置』のほかにもさまざまなカードを切ろうとしている」と言った。駐韓日本大使館・総領事館近くに設置されている慰安婦を象徴する少女像や強制徴用労働者像の問題を国際司法裁判所(ICJ)に持ち込もうという意見もあるという。ICJは普通、一方が応じなければ裁判を開かない。しかし、外交公館の保護を規定した「外交関係に関するウィーン条約」に関連した紛争は例外だ。日本がこの問題をICJに提訴すれば、韓日は法廷で争うしかないということだ。韓国が有利ならば心配することはないというが、そうでもない。韓国政府が2017年末、外国の専門家に諮問したところ「日本の公館前に少女像・労働者像を設置することは国際法違反の素地があり、ICJに持ち込まれれば敗訴する確率がかなりある」との回答を得ていたことが分かった。日本は人権侵害問題が再び国際問題化するのではないかと考え、これまでICJという切り札を切らずにきたが、今は「行くところまで行ってやろう」と打って出るかもしれないというのだ。韓日が主な確執を政治的に解決できずに事あるごとに国際法廷に持ち込めば、どちらが勝訴するにしても両国関係は満身創痍(そうい)になる。