日本は昨年10月、済州島沖で実施された韓国軍の国際観艦式には「旭日旗の掲揚が認められない」との理由で参加しなかった。中国も前日になって「内部事情」を理由に参加を見送った。ところが、日本は中国沖での観艦式に旭日旗を掲げた艦船を派遣し、中国もそれを受け入れ、蜜月関係をアピールした格好だ。韓日関係は最悪の状況だが、中日関係は雪解けが進んでいる。首脳による交流も活発だ。李克強首相が昨年5月、中国の首相としては8年ぶりに訪日。安倍晋三首相が昨年10月、現職首相としては7年ぶりに中国を公式訪問した。今年6月の主要20カ国(G20)首脳会議の期間には習主席が中国の国家主席としては11年ぶりに日本を訪問し、10月には国賓として再び公式訪問を行う予定で、中日の蜜月関係はさらに強まりそうだ。国交正常化(1972年)、平和友好条約締結(78年)など4回にわたる歴史的な共同合意を発表してきた中日は昨年、安倍首相の訪中に合わせ、両国関係の正常化を盛り込んだ「第5の合意」も発表した。
経済分野でも結び付きが深まっている。昨年4月に2010年以来8年ぶりに高官級の経済対話を再開した両国は、高いレベルの経済統合を盛り込んだ東アジア地域包括的経済連携(RCEP)を推進する方針で一致した。日本は中国の一帯一路構想にも「第三国協力」という形で積極的に参加意向を示している。
22日にはトヨタ自動車が中国の北京汽車集団に燃料電池車(FCV)向けの部品を供給することで合意した。トヨタがFCV分野で中国企業と提携したのは今回が初めてだ。上海では同日、中日両国の証券市場関係者が早ければ5月にも上場投資信託(ETF)の相互上場を実現させることに合意した。観光分野では今年1-3月に日本を訪れた中国人観光客が216万人を数え、前年同期を11.6%上回った。両国はまた、2020年東京五輪、22年北京冬季五輪などを契機として、両国関係の将来を担う青少年による交流も活発化させる方針だ。交流規模は5年間で3万人に達する。