【萬物相】韓国政治の偏狭さを示す大統領記念館

 その一方で歴史を伝えるはずのこれら記念館で、どういうわけか「現職大統領」の顔が展示されている。世宗市では金大中(キム・デジュン)・盧武鉉(ノ・ムヒョン)・文在寅(ムン・ジェイン)大統領の3人が北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記、金正恩(キム・ジョンウン)委員長とそれぞれ会った時の写真がセットのように掲げられ、「平和に向かう道」という題目も付けられていた。青南台でも同じような展示が行われている。しかしここには朴正煕(パク・チョンヒ)大統領による7・4南北共同宣言や盧泰愚(ノ・テウ)大統領による北方外交などに関連する展示はない。ある観覧客は「現政権の意向に合わせた展示は行われているが、朴槿恵大統領関連の写真は1枚もない」と抗議したという。弾劾も歴史であり、朴槿恵氏が大韓民国の大統領だったことも歴史だ。

 現政権による「歴史政治」はその時々の政治的な必要性によって変わる。文大統領は2012年の大統領選挙当時、李承晩・朴正煕大統領の墓参りはしなかったが、17年の大統領選挙では「統合」を口実に墓参りを行った。つい先日まで「建国100年」などと騒いでいたかと思えば、北朝鮮がこれを嫌うと知ると突然やらなくなった。解放から70年以上過ぎたが、100年過ぎた学校の校歌を「親日清算」を理由に廃止し、6・25戦争(朝鮮戦争)の南侵責任者に独立有功者として勲章を授与するという。この偏狭で変質した歴史政治はいつになったらその正体を現すのだろうか。

韓賢祐(ハン・ヒョンウ)論説委員

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