■韓国への技術移転には消極的な米
米日両国は先月から、次世代戦闘機共同開発に関する話し合いを行っている。米国のF22の機体にF35の電子機器、ソフトウエアを搭載した新型戦闘機の開発が有力だ。
日本経済新聞は昨年8月「防衛省が、米国の世界最強のステルス戦闘機F22を日本の技術で改良し、次世代ステルス戦闘機として運用する案について検討に着手した」と報じた。世界最大の防衛関連企業である米ロッキード・マーチンは、F22の機体をそのまま使用しつつF35の戦闘システムを搭載する新型戦闘機の開発・生産プロセスにおいて、日本が50%以上を担当する案を提示したという。
F22は2006年に、模擬空戦でF15、F16、FA18戦闘機合わせて144機を「撃墜」する一方で自らはただの1機も撃墜されないという記録を作った、最強の戦闘機だ。これまで米国政府はF22の技術移転はもちろん、完成品の販売すら禁止していた。ところが日本に対しては、そのかんぬきを緩めてやる意向を表明したのだ。
米国のこうした対日アプローチを巡り、専門家らは「韓国への先端技術移転に消極的だったのとは対照的」と指摘した。韓国がF35を配備する際、米国は当初、韓国型戦闘機(KFX)開発のため25分野の技術を移転すると決めた。ところが最終的に米国は、フェーズドアレイ(AESA)レーダーシステム統合、赤外線捜索・追跡(IRST)装置、電子光学標的追跡装置(電子光学照準ポッド、EOTGP)、電波妨害装置(RFジャマー)統合に関する4分野の中心技術移転を拒否した。
米国の破格の提案は、日本の次世代戦闘機開発に関心を持っている「ライバル」英国を制するための側面もある―という分析もなされている。朝中ロに対応して米日同盟を強化しているのだ。このところ韓米同盟が訓練をしない「象徴的同盟」へと衰えつつあるのとは対照的に、米日同盟は最高レベルの情報を共有するほどに進化しているのだ。