韓国語で「キムチ女」は嫌悪表現、では「キムチ男」は?

 最終的に月給を多く受け取ったチームが勝つようになっているが、途中駒が「出産」に止まると、女性役の児童だけが月給を3分の2に減らされる。また、駒が「昇進カード」に止まると、男性役の児童は無条件で昇進して月給を2倍も受け取るようになり、女性役の児童は昇進に失敗して月給は据え置かれるといった設定になっている。

 専門家たちは「出産をすると、女性の方が男性よりも経歴断絶など経済的な損失がより大きくなるのは事実」としながらも「父親の育児休職などの条件を多く設定し、変数を多様化させるべきだが、全てのことを単純化してしまうことで、教育的効果が得られにくい構造となっている」と苦言を呈する。女性が経験する不平等を分かりやすく伝えるのが目的だが、こうしたやり方ではかえって子どもたちの心の中に「現実社会で女性が成功することができないのは、単に女性だから」という二分法を植え付けてしまいかねないというわけだ。

 また、「男性は多数であるため、嫌悪の対象ではない」といった内容も論議を呼ぶ恐れがある。女性、身体の不自由な人、少数民族など、少数をけなす発言だけが嫌悪発言で、男性のような多数をけなす発言は嫌悪発言ではないというのだ。こうした理由から、男性が女性をさげすむ「キムチ女」は嫌悪表現であり、女性が男性をさげすむ「キムチ男」は嫌悪表現ではないと説明されている。

 ある青少年団体の研究員は「性平等指導事例集を初めてまとめ上げたことには意味がある」としながらも「性平等教育は、男女を区分するのが最終目的ではなく、これまで見えなかった部分にスポットライトを当て、もしも差別があった場合にはなくしていこうといった認識を育てる点にあるわけだが、こうした点がしっかりと盛り込まれているか疑問」と首をかしげた。

ナム・ジョンミ記者

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