青瓦台の内外では、演説文の草案が大統領に報告された後、添削した際に問題のあいさつが追加された可能性があるとの見方が出ている。第1付属秘書官室や儀典秘書官室による確認の過程で間違いが生じた可能性があるというわけだ。もし、該当国の専門家が存在する外交部で、草案準備の際に別の国のあいさつ言葉を挿入したのだとすれば、問題はさらに深刻だ。
さらに、今月10-16日の文大統領の東南アジア3か国歴訪を前に、儀典秘書官室など青瓦台の主要部署の綱紀が緩んでいたと指摘する声もある。当時、儀典秘書官のポストは昨年11月に前の秘書官が飲酒運転で辞任して以降、3か月以上も空席になっており、大統領の海外歴訪3日前に急きょ新儀典秘書官が任命されたという状況だった。それまで儀典秘書官の職務を代行していたホン・サンウ儀典秘書官室先任行政官も、今月4日にシドニー総領事に内定された状態だった。儀典秘書官室のもう一つの先任行政官のポストも、タク・ヒョンミン前行政官が1月7日に辞表を提出して以来、2か月間空席になっていた。
儀典秘書官室は責任者がいる時期でも何度か「事故」を起こしている。キム・ジョンチョン元秘書官は昨年6月、チョ・ハンギ儀典秘書官が第1付属秘書官に移動した際に、昇進という形でその後任となった。しかし昨年9月に行われた行事で、大統領の動線確認が不十分だったために、文大統領が障害物をまたぐような形で机の間を移動するという事態を招いた。また、同じ月に平壌で行われた南北首脳会談では、文大統領の署名用に用意したペンが(学用品の)「ネームペン」で、物議を醸した。昨年10月にはアジア欧州会合(ASEM)首脳会議での記念撮影に文大統領が参加できないという失態もあった。外交部も昨年11月に文大統領がチェコを訪問したニュースを伝える際、国名の「チェコ」を「チェコスロバキア」(1992年にチェコとスロバキアに分裂する前の国名)と表記し、ネットユーザーの批判を浴びた。