■2度頓挫した事業…新世界「自信ある」
華城国際テーマパーク建設事業はこれまで2度も頓挫している。事業の施行主である韓国水資源公社とユニバーサル・スタジオ・コリア・リゾート(USKR)のコンソーシアムは2007年「ユニバーサル・スタジオ」を韓国に建設するとして了解覚書(MOU)を締結した。3兆ウォン(現在のレートで3000億円)を投じ、2013年にオープンする計画だった。しかし、世界金融危機(08年)によって計画は遅延。10年にロッテグループがコンソーシアムの大株主として事業に参入したが、土地代の交渉などで意見が折り合わず、12年に事業が頓挫した。
15年には大宇建設と中国資本が参加するUSKPHコンソーシアムを中心に事業が再び推進された。しかし、これも事業費調達などの問題で17年1月に頓挫した。業界では「華城テーマパーク建設は完全に白紙化されるだろう」との悲観的な見方も出た。しかし昨年8月、京畿道と華城市、水資源公社が3度目の挑戦に乗り出し、事業者として新世界が手を挙げた。
新世界は「スターフィールド」を成功させたノウハウを華城国際テーマパーク事業にも生かすとしている。新世界の関係者は「華城国際テーマパークは、ショッピングに娯楽と飲食を融合させたスターフィールドのモデルに、アトラクションとスポーツ(ゴルフ場)、宿泊(ホテル)を追加したものだ。グループの全ての力を結集して臨む」と意欲を見せた。
■26年に一部オープン、今後は韓中日のテーマパーク集客合戦に
華城国際テーマパークはようやく長い行程の第一歩を踏み出した。21年に着工し、26年に第1次オープン、31年に完全オープンを予定している。計画通り着工すれば、韓国国内には春川レゴランド(22年オープン)、永宗島リゾート(今年上半期に着工)を含め大型テーマパークが3か所できることになる。海外からの観光客を誘致するためには、2020年から本格化する日本・中国との「テーマパーク集客合戦」を勝ち抜かなければならない。日本では2020年、東京五輪に合わせてスーパーニンテンドーワールド(USJ内の新エリア)がオープンする。中国・北京では、65億ドル(約7200億円)を投じたアジア最大規模のユニバーサル・スタジオがオープンする。新世界プロパティーのイム・ヨンロク代表は「ロボットを使った駐車システムや自動運転の電動列車など最先端の情報通信技術(ICT)を積極的に活用し、国際競争力も兼ね備えることになる」と説明した。