米国のニューヨーク・タイムズスクエアでは月20億ウォン(約2億円)でアダルトサイトの広告が堂々と表示される時代だ。12億に達するといわれる全世界のネットサイトの中で、アクセス数上位300のうちアダルトサイトは11に上るという。これらアダルトサイトのトップは全体の18位で、1カ月で15億のアクセス数があるそうだ。アダルトサイトにアクセスするネットユーザーは月平均450分そこにとどまるらしいが、これはツイッター(160分)やアマゾン・ドットコム(110分)よりもはるかに長い時間だ。
米国では1973年の最高裁判決で「作品に文化・芸術・政治・科学的価値が全くないとき」は「淫乱物として処罰可能」との原則を提示した。つまりそれ以外のアダルト映像や写真は全て合法ということだ。韓国では今も「過度な性的欲求を刺激し、羞恥心を誘発するとき」という非常にあいまいな基準でしか判断できない。そのためこの機会に「ポルノとは何か」について社会的にしっかりと議論してはどうだろうか。違法なアダルト写真や映像はアクセスを遮断すべきだが、「禁止」ばかりの規制だとかつての独裁政権を思い起こさせる。「商業ポルノの是非を善悪の観点だけで判断するのは無意味」との主張も根強い。いずれにしてもソウルの都心で「アダルトビデオを見る権利」を主張する時代が来るとは誰が予測できただろうか。
韓賢祐(ハン・ヒョンウ)論説委員