【コラム】韓国歴代大統領の不運は風水のせいなのか

金敦中が鄭仲夫のひげを燃やした時もこれほど若くはなかった

 34歳の5級公務員である韓国大統領府行政官が、韓国陸軍参謀総長を喫茶店に呼び出し、軍の人事について協議したという。現政権初期に起こったことだ。同席した大佐は准将に昇進した。高麗時代の文臣・金敦中(キム・ドンジュン)が大将軍・鄭仲夫(チョン・ジュンブ)のひげを燃やした時もそれほど若くはなかった。「行政官が陸軍参謀総長に会えない理由はない」という大統領府の弁明を聞くと、今や「ドジョウ」1匹の逸脱行為ではなく、権力の府で日常茶飯事となっていることのようだ。「世間の目を気にせずにとんでもないことを言う人物のバックには大統領府の誰かがいる」という話が飛び交い、ほかの人物の兵役問題はさまざまな出来事のスパイス程度に取り上げられていたが、そのうちタブーになってしまった。風水専門家の又石大学キム・ドゥギュ教授は「時代精神や民心が背を向ければ、光化門庁舎も九重宮殿(世間とは切り離された、幾重もの門の奥にある宮中)になる」と語ったが、今の大統領府はますますそれに近づきつつある。

 現政権が発足してまだ何年もたっていないのに、もう風水のせいにしているのだろうか。大統領府が九重宮殿になるのは広いからでも、遠いからでもない。その中の人々が外に対して耳を閉ざし、味方ばかり集めて他者を排斥し、耳打ちをした瞬間、大統領は帝王となり、大統領府は孤立し、権力にたまった濁った水は腐っていく。

社会部=鮮于鉦(ソンウ・ジョン)部長

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