日本側はまた、「レーダー照射問題」の発端となった追跡レーダーに関しても、具体的な証拠を提示していない。
日本側は、韓国の駆逐艦が追跡レーダーで哨戒機に照準を合わせて威嚇したと主張しているが、「決定的証拠」となるレーダーの周波数の公開は拒否している。
日本の時事通信によると、防衛省の幹部は「周波数データは、哨戒機の監視能力の手の内をさらすことになる」「電子戦能力でもあり機密だ」などの理由で公開を拒否した。
一方、日本国内でも日本側の過ちを指摘する声が出ている。また、映像公開を指示した安倍首相の「自縄自爆」だとの分析も示されている。
小泉純一郎元首相の秘書官を務めた小野次郎元参議院議員は先月29日、自身のツイッターで「(日本が公開した)映像を見ると、我が方(日本)の言い分よりも韓国側の緊迫した一触即発の状況がよく分かる」として「北鮮(北朝鮮)船舶に対し作戦行動中の(韓国の)軍艦に訳もなく(日本の哨戒機が)接近するのは極めて危険で不見識」と指摘した。
小野氏は「日本の海上保安庁も北鮮船舶に接近する場合、相手の抵抗と不意の攻撃に対して威嚇射撃などの備えを怠らない。接近する航空機の警戒も強化する」と述べ、北朝鮮の船舶の救助作戦を展開していた韓国の駆逐艦が警戒を強化したのは当然だと説明した。
国防部の関係者は「日本側が公開した映像には単に哨戒機が海上で旋回する場面と操縦士の会話の場面しか収められておらず、一般常識的な側面から、レーダーを照射したという客観的な証拠と見なすことはできない」と話した。