【コラム】「文在寅外交って何なの? 素人じゃあるまいし」

 ところが、金正恩委員長の年内答礼訪問は実現不可能となりそうな雰囲気だ。「来ないかもしれない」と言われた時は「困ったような振りをしているんだな」と思ってニヤリと笑ったが、「本当に来ない」と言われると、あ然としてしまう。先週末の夜、一緒に過ごした外交・安保専門家たちも首をかしげた。答礼訪問が不確実な状態のまま、韓国政府があれほど無謀にハンドルを切っていたというのが信じられないからだ。素人のふりをしているのかと思っていたが、正真正銘の素人だったのだ。だから余計に「一体何なの?」という言葉がまた口に出てしまう。

 心配は心配を生む。トランプ大統領は答礼訪問中止の知らせを聞いてどう思ったのだろうか。「『金正恩委員長の答礼訪問を歓迎する』と一言頼むと言っていたのに、外れだったね。プレジデント・文(ムン)、お粗末な人だ」。サランチェ前の絵はどうなるのか。展示期間が延長されるのか、あるいは続編を注文しなければならないのか。タク・ヒョンミン行政官の「脱・大統領府」時期は「初雪」のころではなく「春雨」のころになるのか。

 答礼訪問実現に関してああだこうだと言われていたさなか、「ローマ法王の来年の訪朝は不透明だ」というニュースが報じられた。米政府系放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)放送が「来年の法王の海外訪問スケジュールに訪朝は含まれていない」という法王庁関係者の話として伝えられた。韓国の相当数のメディアが「ローマ法王は『無条件で北朝鮮に行く可能性がある』と語った」と報道してから2カ月もたっていない。法王が発言を翻したのか、大統領府が法王のリップサービスを拡大解釈したのか。法王は当初、「北から招待状が来たら検討してみる」ということだったが、北朝鮮が招待状を送ったという話もない。法王の訪朝は、文大統領がアイデアを出し、北朝鮮から先に切り出し、法王庁まで行って取り持とうとした野心作だった。ところが、肝心の双方の当事者たちは歓迎していなかった。仲を取り持とうと1人ではしゃいでいた人間だけがぼう然と天を仰ぎ見ている状況だ。

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
関連フォト
1 / 1

left

  • 【コラム】「文在寅外交って何なの? 素人じゃあるまいし」

right

あわせて読みたい