■米国に対し不満抱き「米国経由する必要ない」
韓国大統領府の反発は、単に大統領専用機の制裁例外適用措置に関するものではなかった。外交消息筋は「これまで積もり積もってきた米国に対する『わだかまり』が専用機問題をきっかけに噴出したと考えるのが正確だろう」と言った。
韓米間の確執は9月の南北首脳会談を前後して相次いで表明化した。8月末、韓国政府と北朝鮮が北の鉄道区間を共同点検しようとした時、軍事境界線を管轄する国連軍司令部がこれを白紙化させた。国連軍司令部の主軸は米軍だ。韓国政府が力を入れてきた開城工業団地の南北共同連絡事務所に関しても、米国は各種資材や石油類の搬入を対北朝鮮制裁違反だとして問題提起し、開所がかなり遅れた。
逆に、韓国が南北首脳会談軍事合意書を米国に十分な検討時間を与えずに南北首脳会談直前に出したことに対しては、米国から不満の声が上がった。マイク・ポンペオ米国務長官は康京和(カン・ギョンファ)外交部長官に電話をかけ、激しい言葉遣いで抗議したという報道もあった。外交部関係者は「軍事合意書以降、さまざまな問題で米国がかなり気むずかしくなっているのは事実だ」と言った。
そうした中、10月初めには「韓国は我々の承認なしには何もできない」というドナルド・トランプ米大統領の発言まで伝えられ、韓国大統領府の米国に対する不満は頂点に達したという。結局、こうしたムードから「必ずしも米国を経由する必要はない」という決定が下されたとのことだ。