【コラム】文大統領専用機はなぜ米国で給油できなかったのか

 では、文大統領と空軍1号機はなぜチェコに行ったのか。最大野党「自由韓国党」の洪準杓(ホン・ジュンピョ)前代表は次のように語った。「北朝鮮は首脳会談をタダでしたことがない。DJ(金大中〈キム・デジュン〉元大統領)の時もそうだったし、盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領の時もそうだった。MB(李明博〈イ・ミョンバク〉元大統領)も2億ドル(現在のレートで226億円)を要求され、MBが首脳会談を断念したことがあった。(文大統領は)先日送ったミカン箱の中に入っているのはミカンだけだろうか? (金正恩〈キム・ジョンウン〉朝鮮労働党委員長の叔父)金平一(キム・ピョンイル)が大使として駐在しているチェコに行ったのはなぜだろうか? 給油が目的だったと言っているが、それは正反対の飛行ルートではないのか?」

 すると、保守系野党・正しい未来党の李俊錫(イ・ジュンソク)最高委員が洪準杓前代表を批判した。「地球が丸いということを理解できていないある政治家が的外れなあら探しをした」というのだ。李俊錫最高委員は、仁川国際空港からチェコのプラハを経由してアルゼンチンのブエノスアイレスに行った場合は距離が2万75キロメートル、仁川空港から直接ブエノスアイレスに行った場合は1万9484キロメートルなので、500キロメートルほどしか差がないと言った。だから、「正反対の飛行ルート」という洪準杓前代表の発言は「的外れ」と言ったのだ。

 それなら、本当に文大統領が乗った空軍1号機はなぜチェコに行ったのか。トランプ大統領が乗る米大統領専用機は米空軍所属だ。管制塔コールサインも「エアフォースワン」だ。機長は空軍大佐で、乗務員も米空軍に所属している。トランプ大統領が乗る米大統領専用機は軍用機なので、海外歴訪時は米空軍基地に着陸する。シンガポールで行われた米朝首脳会談の時、金正恩委員長が乗ったエアチャイナは民間航空機なので民間国際空港のチャンギ空港に着陸し、トランプ大統領が乗ったエアフォースワンは空軍機なので軍事空港のパヤレバー空軍基地に着陸した。

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