米国務省東アジア太平洋局のローラ・ストーン次官補代行は米国時間の4日「北朝鮮の労働者は賃金もまともに受けられず、いかなる自由も認められていない。その彼らを中国は受け入れた」とした上で「米国はこれを『奴隷労働』と考えている」と発言した。
ストーン氏はこの日、米議会上院外交委員会東アジア太平洋小委員会の聴聞会に出席し、上記のように述べた。米政府系ラジオ放送「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」が報じた。聴聞会のテーマは「民主主義と人権法治に関する中国の挑戦」。この席でストーン氏は「米国は価値観を共有する国々と協力し、国連安保理決議に従って新規の労働者を含む北朝鮮労働者の海外派遣を減らそうとしている」と述べた。
また米国の別のラジオ放送「自由アジア(RFA)」は「北朝鮮労働者は国連による制裁を避けるため、正式な旅券ではなく1枚1ドル(約113円)の『渡航証』を受け取り中国で違法労働をしている」と報じた。RFAが北朝鮮と国境を接する中国丹東を取材したところ、飲食店や比較的大きなカラオケスナックなどでは今も北朝鮮からやって来た女性従業員らが働いており、また画家などもやって来ては外貨稼ぎを行っているという。現地の住民らはRFAの取材に「北朝鮮労働者の給与は月2000-2500人民元(約3万3000-4万1000円)ほどだが、そこから北朝鮮政府に上納すれば、労働者本人たちが受け取るのは700-800元(約1万2000-1万3000円)ほどだ」と話していた。ここから北朝鮮の保衛部にさらに200元(約3300円)ほど追加で上納させられるので、彼らは月10万ウォン(約1万円)も受け取れないようだ。
一方でアラブ首長国連邦(UAE)では、現地の高級ホテルで北朝鮮の美術作品を販売していた「玉流美術館」の作品が突然全て持ち去られ、店も閉店したという。RFAがこの日報じた。RFAによると、今年4月に国連の制裁対象に指定されている万寿台創作団所属の画家の作品が販売されていることが報じられたため、国連の制裁委員会が調査を行おうとしたが、調査が始まると同時に店は閉店したようだ。