【コラム】もしソウルに北の特殊部隊が侵入したら

 大砲・戦車・駆逐艦・戦闘機といった通常兵器は韓国軍の方が優勢だという評価が多い。と言っても、有事の際に韓国が北朝鮮に簡単に勝てるという意味ではない。北の軍部は「米軍さえいなければ韓国軍程度には勝てる」と声高に言っているという。彼らが信じるものの一つが、数万人に上る特殊部隊の存在だ。

 もし北の特殊部隊200人がソウルに下ってきたら、どうやって彼らを撃退できるだろうか。ソウルのほかに釜山、大邱、光州、大田に100人ずつでも北の特殊部隊が潜入し、爆破やテロ、暗殺を行ったら、韓国社会は大混乱に陥りかねない。ムンバイのテロ(2008年)やパリのテロ(2015年)では、少数の民間テロリストが犯行に及んだにもかかわらず、都市全体が修羅場と化した。「殺人兵器」といわれる軍特殊部隊の攻撃はレベルが違うだろう。11月24日の土曜日、ソウルの通信大手KTアヒョン支社の地下通信溝火災により、ソウル市中部・西部地域で通信の混乱が発生した。数年前、従北(北朝鮮に追従する)内乱事犯の李石基(イ・ソッキ)元統合進歩党議員などは、韓国かく乱のためKTのソウル恵化電話局などを襲撃するという目標を立てた。韓国の従北主義者も考えることを、北朝鮮軍部も当然狙っているだろう。

 北朝鮮との和解・協力や統一といったことは時代的課題だ。だがそれを理由に、韓国の軍事的な備えに、ほんのわずかでも乱れがあっては絶対にいけない。北朝鮮が挑発しようという気にすらならず、韓半島(朝鮮半島)で戦争の可能性が「ゼロ」になるその日までは。

張一鉉(チャン・イルヒョン)国際部次長

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