【コラム】韓国の自転車貸し出し事業、新ビジネスモデルに暗雲

 実は、海外でもヘルメット着用の義務化を巡っては、議論が交わされている。オーストラリアではヘルメットの義務化以降、自転車の利用者数が37%減少したという研究結果もある。また、自転車の利用が活性化されているオランダやデンマークなどほとんどの国々は、ヘルメットの着用を依然として個人の自由に委ねている。安全のためにはヘルメットの着用を義務付ける必要性はあるものの、それよりは自転車人口を拡大するのが先決といった判断からだ。

 韓国の貸し出し用自転車市場は、今まさに動き出そうとしているところだ。特に世界最高の情報通信インフラを備えた韓国は、自転車に追跡装置を搭載し、何も自転車の貸し出し所を訪れなくても、どこででも自転車を借り、使用しては返却するビジネスモデルを試験的に実行する最高の試験舞台なのだ。貸し出し用自転車業界の言葉通り、全世界的に脚光を浴びている新事業が、「現実を理解していない卓上行政」のため出発すらできずに消滅してしまうようで、何だか気が気でない。

チャン・ヒョンテ事業2部記者

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