ソウル大名誉教授「古朝鮮こそ東洋文明の起源、黄河文明にも影響与えた」

 古朝鮮は野生馬を飼いならして独特の騎馬文化を発展させ、太陽と祖上神(檀君)を崇拝する共同信仰が発達した。また、韓・ワイ・貊族の部族言語を統合して古朝鮮語が誕生し、これはウラル・アルタイ語族に属する言語の中では最も古い歴史を持つ。従って、西洋文明の始祖とされるメソポタミア文明・エジプト文明に対応する東洋文明の出発点は、黄河文明(3700年前)ではなく古朝鮮文明と見るべき、というのだ。

 シン名誉教授の主張は、ともすれば在野の歴史学者の持論とも似ている。だが韓国と中国の文献史料、考古学の発掘資料、社会学・人類学の理論書、東洋・西洋の研究成果を幅広く活用して学問的に論理を展開しているところに、明白な違いがある。シン名誉教授は「長期持続する古代社会と古代文明を分析する上で極めて有用な、フランスのアナール学派の研究方法論を用いた」と語った。

 同書のさまざまな野心的主張の中でも、実際最も論争になるであろう部分は、通念とは逆に「古朝鮮文明が古代中国文明の誕生に影響を及ぼした」という主張だ。このところ中国が黄河文明の起源と見なしている遼河文明(紅山文化)の主人公が貊族で、古代中国の東海岸に定着した古朝鮮の移住民が黄河文明の形成を大いに助けたのだという。シン・ヨンハ名誉教授は「紅山文化は基本的にクマのトーテム。黄河文明を離陸させたのは商王朝だが、その商王朝を建てた人々が古朝鮮のあった遼寧から渡ってきたことは、中国の大学者、傅斯年も認めている」と語った。

李先敏(イ・ソンミン)記者
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