300億円投じた仁川空港KTX4年で廃線、国際空港と高速鉄道に相乗効果なし

シンクタンク「厄介者になる」警告していたのに…

 だが、実際にふたを開けてみると、料金が高くて時間もかかる「厄介者」になった。釜山駅からKTX路線に沿って仁川空港まで行けば7万2100ウォン(約7200円)かかるが、釜山駅からKTXでソウル駅まで行き、そこから空港鉄道に乗り換えれば6万7300ウォン(約6750円)で済む。ソウル駅から仁川空港駅までKTXでは約50分だが、空港鉄道を使えば直通で43分だ。このため当然、仁川空港KTXは座席の77%が空席となった。

 それでも、平昌冬季五輪開催時は仁川空港から江原道江陵に直接行ける大量の交通手段が必要だという理由で路線がそのまま維持された。16年5月に韓国鉄道公社(KORAIL)社長に就任した洪淳晩氏(17年8月まで)は「(仁川空港KTXは)平昌冬季五輪時に選手団や観客を輸送する最も速くて安全な手段だ」と述べた。

■国際空港と高速鉄道に相乗効果なし

 しかし、今年2月の平昌五輪期間に江陵線を運行するため暫定的に運行中止された仁川空港KTXは、五輪が終わっても再開されなかった。KORAILが高速鉄道の車両整備などを理由に運行中止を継続、6月には完全運行中止を申請したためだ。ある交通専門家は「以前と交通状況が変わったのは確かだが、需要予測が大幅に外れていたのは事実だ。国土海洋部も埋没費用(サンクコスト)に頭を痛め、最終的には現実を受け入れた」と語った。

 仁川空港KTXには国際空港と高速鉄道の相乗効果を試すという意味もあったが、結局は失敗に終わった。「空港と高速鉄道は事実上の代替財関係にあるため、相乗効果を生み出すのは難しい」という専門家たちの予想が事実として証明された形だ。こうしたケースは海外でも成功事例がないという。フランスではリヨン空港に高速鉄道TGVをつなぐという試みがあったが、空港に移動するTGV利用者がほとんどいかかったため、代表的な失敗事例となった。このため、韓国南西部の務安空港KTX経由案も見直すべきだという声が上がっている。

チェ・ウォンウ記者
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