前半19分、鄭又栄の無回転FKがGKマヌエル・ノイアーの手に当たって跳ね返った。ソン・フンミンが駆け寄ったが、ノイアーが抑えた。前半25分にはソン・フンミンの強力なボレーシュートが出たが、ゴールを外れた。
ドイツは粘り強く攻撃を試みた。前半33分、マルコ・ロイスのシュートを尹栄善が体で阻止した。前半39分には混戦からマッツ・フンメルスのシュートをGK趙賢祐(チョ・ヒョンウ)が阻んだ。
ドイツは前半のボール支配率が71対29(%)と圧倒的に優位だった。パスも361本で、韓国(120本)の3倍を上回る。ところが、韓国が走った距離は56.45キロメートルで、ドイツ(54.86キロメートル)を上回った。懸命に走って相手を阻んだのだ。
ドイツは試合運びがうまく行かず、焦っている様子だった。
後半開始と共に鄭又栄がメスト・エジルからボールを奪い、ミドルシュートを放った。後半3分にはレオン・ゴレツカの決定的なヘディングシュートを趙賢祐が阻止した。趙賢祐は今大会の試合で見事なセーブを見せ、韓国のゴールを守った。後半6分、ティモ・ベルナーのシュートは空を切った。
ドイツはさらに焦った。そして終盤、韓国にチャンスが来た。後半ロスタイムのCKでこぼれたボール金英権が蹴り、ゴールネットを揺らした。審判はビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)で確認した上で韓国のゴールを認めた。それまで非難を一身に浴びていたDF金英権は、今大会最高の守りを見せると同時に、最後にドイツを打ちのめすゴールを決めたのだ。韓国はその3分後、朱世種(チュ・セジョン)のロングクロスをソン・フンミンが取り、とどめとなる追加ゴールを入れた。英国のブックメーカーは韓国が2-0で勝つよりも、ドイツが7-0で勝つ確率の方が高いと見ていた。米国のスポーツ専門チャンネルESPNは「韓国がドイツを破る確率は5%に過ぎない」と予想していた。しかし、韓国は不屈の闘志でそのわずかな望みを現実のものとし、今回のW杯を終えた。