超高齢社会・日本に活力吹き込む「筋肉博士」金憲経さん

 これまでに発表した論文は約250本。骨盤の筋肉運動によりさまざまなタイプの尿失禁を治療した論文などで、日本老年医学会が毎年選ぶ最優秀論文賞を3回受賞した。これは日本全国で2人しかいない記録だ。

 もともと日本の国公立機関は、役員のポストに外国人が就くことはできなかった。しかし、東京都は金憲経博士を研究部長に就かせるため外国人制限条項をなくした。博士は「韓国人として最も胸がいっぱいになる出来事だった」と話す。

 「日本は超高齢社会の中でよく持ちこたえている」と言うと、金憲経博士は「地域社会で多様な筋肉運動プログラムが行われていて、高齢者たちが集まる体力低下予防活動が盛んです。その結果、現在75歳の高齢者の筋力と体力は10年前の65歳とほぼ同じになっています」と説明してくれた。博士が手がけた十数種の高齢者筋肉運動プログラムは現在、各地域の高齢者センターや特別養護老人ホームなどで実施されている。

 金憲経博士は「日本は高齢者人口が総人口の7%を超えたころから、政府が老化・健康長寿に関する研究所を作ってきました。韓国は高齢者人口が15%を超えてもまだ国立の研究所が1カ所もないので、非常に遅れています。健康長寿プログラムはその国固有の習慣やライフスタイルに合わせてしなければ効果が薄いので、漠然と日本のものをそのまま韓国に持ち込んでやればいいと考えてはいけません。活力に満ちた超高齢社会を作るカギは、科学的に証明されている多様な老化防止・健康増進研究を地域社会に広めることにあります」と強調した。

東京=金哲中(キム・チョルジュン)医学専門記者

前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
関連フォト
1 / 1

left

  • 超高齢社会・日本に活力吹き込む「筋肉博士」金憲経さん

right

あわせて読みたい