【コラム】医療事故後に東京医科大学病院が行ったこと

 一刻を争う緊急状況でなければ、全ての施術はCVセンターで2人以上の資格医師が共同で行わなければならない。クロスチェックを行うためだ。カテーテルを入れる際、必ず超音波、X線による映像を見ながら、血管に正確に挿入されているかどうかを確認しなければならない。施術から6時間後にX線写真を再度撮影し、カテーテルの位置をチェックする。医師は施術ルールを全て守り、一つでも違反すれば懲戒を受けるという誓約書に署名する。このシステムを作成した三木保教授は、「恥ずべき」新聞記事をCVセンターの入り口に張り、「Never Forget!(決して忘れるな)」と書いた。

 日本の医療事故調査センターによれば、年間で致命的な医療事故が約220件起きるが、うち12人がCVカテーテル術によるものだ。月に1件程度事故が起きている計算だ。東京医科大学病院では、CVカテーテル術を月に150件行うが、システム導入後には死亡例がなくなった。合併症の発症率も9.1%から3.5%に低下した。レジデント(臨床研修医)も行うCVカテーテル術に何を大騒ぎしているのかと言っていた他の病院も今は見学に訪れる。東京医科大学病院出身の医師らは、「大したことがない」という考えが事故を生むとして、他の病院にもガイドラインを広めている。

 人間が行う行動には意図しないミスやエラーが伴う。その確率を抑え、防止策を徹底的に講じることが重要だ。意図しない事故は必ず患者の安全システム改善につながらなければならない。東京医科大学病院は医療事故で犠牲になった患者を追悼する日を設け、慰霊を行い、安全を再確認するきっかけとしている。

キム・チョルジュン医学専門記者(専門医)

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