韓国の健康保険制度にただ乗りする外国人、昨年赤字200億円突破

■結核治療も「ただ乗り」急増

 韓国政府が健康保険財政から提供している結核診療事業でも外国人が「ただ乗り」するケースが急増している。韓国の病院で治療を受けた外国人結核患者は07年の791人から16年には2940人と10年間で3倍以上増加した。韓国人の結核患者は減っているが、外国人患者は急増しているのだ。16年7月から結核診療に必要な費用を全額、健康保険が負担することになり、健康保険に加入している外国人も無料で受診できるようになったためだ。外国人は健康保険に加入していなくても全国の保健所や国立結核病院で無料で受診できる。このため韓国に来る外国人結核患者が増え、財政負担はもちろん、韓国人が感染する危険性まで高まっているとの指摘もある。

 以前は外国人の健康保険加入条件に韓国滞在の基準そのものがなかった。外国人登録をして一定の健康保険料さえ支払えば加入できた。その背景には、韓国国籍を喪失した海外在住の韓国系の人々にも健康保険の恩恵を提供すべきだとの理由があったためだという。しかし、これを悪用する「ただ乗り」外国人が増えて財政損失が大きくなったことから、08年に3カ月間以上滞在しなければならないという基準を新たに設けた。現在は3カ月以上滞在した外国人に対して前年度地域加入者月平均保険料(2017年基準で8万9933ウォン=約9000円)1カ月分を前もって支払えば、健康保険の恩恵が受けられる。

 崔道子議員は「(健康保険の保障性強化政策)『文在寅(ムン・ジェイン)ケア』導入により、そうでなくても健保財政の負担が大きくなるのに、『ただ乗り』外国人まで健保財政をむしばんでいるのを政府はなぜ傍観しているか理解に苦しむ」と述べた。韓国の会社に就職した会社員や留学生が病気になった場合は当然、健康保険の恩恵を与えるべきだが、違法だったり、法の目をかいくぐったりするような健康保険『ただ乗り』は阻止すべきではないのかということだ。保健福祉部(省に相当)は「実態調査を通じ、主に健康保険の恩恵を利用しようとする外国人が地域加入者として加入するという道義的な問題があることをある程度確認した。滞在基準延長などさまざまな対策を検討している」と話している。

【図】各国における外国人の健康保険加入基準

チェ・ウォンウ記者
前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
関連フォト
1 / 1

left

  • 韓国の健康保険制度にただ乗りする外国人、昨年赤字200億円突破

right

あわせて読みたい