浦項地震:「地熱発電所が誘発」 韓国の研究者ら立証

 研究陣は「浦項地震はこれまで世界で起きた地熱発電所誘発地震とは形態が異なる」とした。これまで地熱発電所が誘発した地震の最大規模はスイス・バーゼルで起きたM3.4だった。これまで国際学界では地熱発電所が誘発する地震は注入する水の量に比例し、浦項地震のようにM5.4の地震が起きるためには、1000万トンの水が注入されなければならないとみられていた。しかし、浦項地熱発電所による水の注入量はそれよりはるかに少ない1万2800トンだ。それにもかかわらず、M5.4の強い地震が起きたことについて、李教授は「浦項のように既に危険な状況にある断層であれば、少ない量の水を注入しても大規模な地震を誘発することがあり得ることを立証している」と述べた。

 一方、スイス、ドイツ、英国の研究陣も同日、「浦項地震は地熱発電所によって誘発された可能性が高い」とする論文を発表した。研究陣は衛星写真で観測された地表面の変化で断層運動を推定した結果、「地熱発電所から注入された水が断層を揺るがした可能性がある」とした。

 韓国政府の浦項地震調査研究団は、今回の研究結果について、「地熱発電と浦項地震に関連がある可能性は否定できない」としながらも、「関連性を明確に判断するためには追加的な証拠が求められる」との認識を示した。調査団長を務める李岡根(イ・ガングン)大韓地質学界長(ソウル大教授)は「今年3月から水を注入した後、パイプ周辺と断層に実際にどんな変化が生じたかなどを遠隔探査方式で調べている」と説明した。

【図】浦項地熱発電所の水注入量と地震発生の関係

李永完(イ・ヨンワン)科学専門記者
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