【社説】反中か反米か、米関税戦争で「踏み絵」を迫られる韓国

 おそらく中国も今後は米国に対する通商連合を結成するため、各国に自分たちの側につくよう圧力をかけてくるだろう。中でも韓国は中国にとって巨大な貿易相手国の一つであるため、標的にされる可能性は非常に高い。韓国からの輸出先の中で中国が占める割合は25%以上に達するからだ。

 韓国の国家戦略はこれまで「安全保障は米国、経済は中国」との方針を貫いてきたが、トランプ大統領には今後このような戦略は通用しなくなった。北朝鮮の核問題を抱える国が米中通商戦争のはざまに立たされてしまったのだ。

 通商問題の識者たちは「米中と単独で向かい合わないようにすれば、選択を強要されることも少なくなるだろう」との見方を示している。米中両国と1対1で交渉するよりも、世界貿易機関(WTO)や主要20カ国・地域(G20)など多国間交渉の枠組みをもっと活用する必要があるということだ。米国と協力するには米国が復帰を検討している日本主導の「環太平洋経済連携協定に関する包括的および先進的な協定(CPTPP)」への加入にも拍車を掛けねばならない。韓国はCPTPP加盟国の多くとすでに自由貿易協定(FTA)を締結しているため、当初はCPTPPへの加入は見合わせた。韓国政府は「今年の前半には加入するかどうか決めたい」としているが、実際はもっと急がねばならない。中国との摩擦が表面化し、第2の報復に直面する事態も回避しなければならない。もちろんこれらは全て口で言うほど簡単ではない。輸出によって生きる国にとって貿易戦争は最大の危機だ。韓国政府も企業もやるべきことを手遅れになる前にやっておかねばならない。

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